当方、ドラゴンズファンにつき。
少し遅れた話題になりますが、2021年に戦力外になってしまった選手について触れています。
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戦力外通告を受けた選手(2021年10月19日現在)
()内は年齢。
- 遠藤一星(32) 外野手 右投・右打
- 井領雅貴(31) 外野手 右投・左打
- 武田健吾(27) 外野手 右投・右打
- 三ツ間卓也(29) 投手 右投・右打
- ランディ・ロサリオ(27) 投手 左投・左打
- 丸山泰資(26) 投手 右投・右打
藤井淳志選手と山井大介選手は現役引退となります。
今回の記事は、野手側に注目した記事になります。
考察
戦力外通告の野手とドラフト指名した野手
戦力外通告の理由として、来季のチーム編成の方針が決まり、その要員も固まってきたからだと考えられます。ドラフト会議も終えて、来季スタッフ陣も固まったりすると、更に戦力外通告の対象者が増える可能性もあります。
ドラゴンズからの発表は、ドラフト会議前ではあったものの、外野手3名をバッサリ。野手に限れば、ドラフト会議で指名した外野手とごっそり入れ替えたという印象を受けました。
1位・ブライト健太選手、2位・鵜飼航丞選手と長距離砲の候補を獲得したのを見ると、長打率を残せる……長打が打てる選手を指名したように見えます。ここで、戦力外を受けた選手の2021年長打率を見てみます。
- 遠藤選手 1軍出場なし
- 井領選手 .344
- 武田選手 .263
遠藤選手は残念ながら出場なし。チームの長打率が.334(139試合終了時点)なので、武田選手は下回っていますが、井領選手は上回っています。……あれ?他に何か引っかかる要因があるのでしょうか*1。
戦力外通告の野手の打率とチーム打率
改めて、2021年のドラゴンズのチーム打撃成績(139試合終了時点)を確認すると、下記の通りでした。
- 打率 .238 (6位)
- 出塁率 .292 (6位)
- 長打率 .334 (6位)
- 得点圏打率 .219 (6位)
()内は、セ・リーグにおける順位です。とにかく、今季のドラゴンズは圧倒的に打撃の成績が悪いです。どこからテコ入れするのか意見は様々出そうですが、ドラフト会議の内容では、とにかく長打率を伸ばせと聞こえます。
もうひとつ、個人的に気になるのは、得点圏打率の低さです。ただでさえ低いチーム打率が、得点圏にランナーがいると更に下がるという…。なお、井領選手と武田選手の2021年得点圏打率は下記の通りです。
- 井領選手 .100 (14打席10打数1安打4四球3三振)
- 武田選手 .000 (9打席9打数0安打0四球4三振)
遠藤選手は今季に1軍出場がなかったので何とも言えませんが、井領選手と武田選手の得点圏打率は、チームの平均を下回っています。この要素が判断材料のひとつになったと考えられます。
打率が低いのは悪なのか
勿論、高いに越したことはないのですが、高ければ必ずしも優勝できるとは限りません。また、得点圏でヒットが出ないことも一概に悪いとは言えません。何故なら、有効な進塁打の場合もありますし、外野フライで打点となる場合もあるからです。これは得点圏打率には直接影響しません*2。
この件は、2011年にリーグ優勝したドラゴンズ*3が投高打低だった例も挙がります。下記の動画でも、OBの立浪さんと井端さんが触れています。
11:40頃より
「強かった時代も点取れてないでしょ」
「1点の取り方が(強かった時代の方が)上手かった」
と立浪さんが挙げています。ここで、2011年のドラゴンズのチーム打撃成績(144試合)は、下記の通りです。
- 打率 .228
- 出塁率 .298
- 長打率 .330
- 得点圏打率 .232
確かに数字だけで見ると、リーグ優勝した2011年の打撃成績の方が低いものもありました。いずれにせよ、そんなに良い数字には見えません。しかし、「1点の取り方」への意識だけが違うのであれば、今季よりも良くなる可能性がある……というのが動画内での立浪さんの持論展開でした。2022年シーズンの監督が立浪さんに決まりましたので、是非実行いただきたいです。
ただ、上記の話を踏まえると、2021年はいわゆるチームバッティングが徹底されていたのかという疑問が残ります。チーム内ではそういった意見は挙がっても、具体的にどうするかというところまで出来ていたのでしょうか?動画内の例にも挙がっていましたが、そこは無理やり引っ張らなければいけない場面なのか?と冷静に判断できるような指導はあったのか、もしくはコーチの指導力が低くて浸透できなかったのか……残念ながら判断する材料がないため、考察できません。
武田選手と井領選手の今後
本当はチームの上層部に大きな問題を抱えていたからかもしれないと思いつつも、次の進路を決めなければならない選手がいます。大きなお世話だと思いつつも、武田選手と井領選手にまだまだ頑張ってほしいと私は思っています。
武田選手の場合
武田選手は守備固め……のイメージがあるのですが、実は神宮球場での打撃成績が良かったりします。そこに限れば、OPS:1.164です。母数が少ないので当てにならないと言われたらそれまでですが、ご参考まで。
- 打率 .300 (11打席10打数3安打、1本塁打)
- 出塁率 .364
- 長打率 .800
逆にバンテリンドームの武田選手はというと、、、
- 打率 .071 (16打席14打数1安打)
- 出塁率 .071
- 長打率 .071
……広い球場が苦手なんでしょうか?
また、チーム別対戦成績だと、DeNAに対して強い傾向があります。2021年では打率.250(11打席8打数2安打)2020年は打率.353(17打席17打数6安打)でした。
井領選手の場合
井領選手はレギュラーよりも代打で出場することが多かったです。先程は得点圏打率1割という数字が見えてしまいましたが、……バンテリンドームの成績だけを見てみると、、、
- 打率 .348 (25打席23打数8安打、1本塁打)
- 出塁率 .400
- 長打率 .609
なんと、あまり悪い数字に見えません。バンテリンドームを苦手にしている球団があれば……ワンチャン?また、チーム別対戦成績では、2021年は特にヤクルトに対して強い傾向があり、打率.333 でした。
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最後に
選手の入れ替えだけでなく、選手・コーチ陣ともに意識の高さも求められるチーミングに期待したいです。その一方で、戦力外通告を受けてしまった選手たちには、今回の首脳陣を見返せる場に辿り着けるように私は強く祈っています。
参考文献
- スパイア【SPAIA】|スポーツ×AI×データ解析 総合メディア
- プロ野球 日程・結果 - スポーツナビ (yahoo.co.jp)
- - nf3 - Baseball Data House Phase1.0